賠償責任
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事故の発生により企業が法律上の賠償責任を負うことになった場合、賠償金額によっては、会社の経営を左右する損失になることがあります。
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そのため、企業が事業活動を行う上で発生する可能性のあるさまざまな賠償リスクを洗い出し、どのように対応するかを決め、定期的に見直す必要があります。
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賠償リスクの対策としては、保険を活用することも有効な方法の一つです。
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自社のリスク
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まず、保険のことを考える前に自社にどのようなリスクがあるのかを考える必要があります。経営上のリスクは様々なリスクがあります。作った商品に不具合があった、従業員が移動中に事故を起こしてケガをさせた、顧客情報が流出したなどここで上げさせていただいたのだけでも考えたくないようなリスクです。
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考えたくもないようなリスクですが、事前に手を打っておけば万が一の時も安心できる体制を作ることができます。
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リスクの対策
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リスクを洗い出したあとは、対策です。
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対策には大きく4つの対策があります。「保有・予防・回避・移転」です。保有とは自社のリスクを考えたとき、備えるよりもリスクを受け入れる方が良いという場合に保有の選択肢を選びます。予防は備えるための対策を打つこと。回避は手段を変更してリスクから回避すること。移転は保険に加入し自社のリスクを他者に移転すること。
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それぞれのリスクの大きさ・内容・頻度などによって最適な選択肢を選びます。
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賠償責任リスク
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施設管理や業務遂行上の賠償責任の補償
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事業用施設等の管理や業務遂行が原因の賠償費用を補償します。すべての業種・業態に共通のリスクを補償するもので、必要性の高い補償です。
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生産物賠償責任の補償
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施設管理や業務上の賠償責任の補償では対象外となる、販売した製品による事故や、完了した業務の結果による事故での賠償費用を補償します。特に食料品を提供する業者には必要性の高い補償で、製造物責任法(PL法)の適用を受ける業種のみならず、多くの業種で販売後や業務終了後の賠償責任リスクは継続して存在し続けます。
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個人情報漏洩による賠償責任の補償
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個人情報流出による賠償費用を補償します。個人情報を保有する事業者には必ず考えるべき補償です。
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建設工事業者の請負業者賠償責任の補償
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建設工事、土木工事、電気工事、水道工事、道路工事など、工事業者専用の賠償責任保険です。工事作業には、大きなリスクが伴います。そのリスクに備える補償です。工事業者専用の保険を商品化している保険会社もあります。
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受託物、管理財物に対する賠償責任の補償
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倉庫業、クリーニング業、預かり修理・加工業などの事業者や、リース・レンタル財物や借用不動産を使用する事業者の受託・管理財物に対する賠償費用を補償します。
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事業者向けの賠償責任保険
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事業者向けの賠償責任保険は、保険会社によってさまざまな種類があり、契約方法にも違いがあります。それぞれの賠償責任を単体で補償する保険もあれば、一つの保険契約でさまざまな賠償リスクをカバーできる包括的な賠償責任保険もあります。さらに、賠償責任の補償に加えて、火災や災害による事業用資産の損害、労災事故等、さまざまな事業リスクをまとめて補償する総合的な保険もあります。
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業種業態問わず、賠償責任に対しての備えは必要ですが。どのリスクに、どのように備えるのかは保険担当者と検討して決めていく必要があります。
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